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Cute Movies

娚の一生

いくつになっても、人は人を好きになる。

2015年2月14日(土)新宿ピカデリー他全国公開!<br><br>(C)2015 西炯子・小学館/「娚の一生」製作委員会
2015年2月14日(土)新宿ピカデリー他全国公開!

(C)2015 西炯子・小学館/「娚の一生」製作委員会
娚(おとこ)の一生

監督: 廣木隆一(「余命一カ月の花嫁」、「きいろいゾウ」「さよなら歌舞伎町」)
脚本: 斉藤ひろし(「チーム・バチスタの栄光」、「余命一カ月の花嫁」)
原作: 西炯子『娚の一生』(小学館フラワーコミックスα刊)
出演: 榮倉奈々、豊川悦司、向井理 他
主題歌: JUJU 「Hold me, Hole you」
【ストーリー】

東京でキャリアを積み、忙しい日々を送っていた堂薗つぐみ(榮倉奈々)は、仕事のストレスと実らない恋に疲れ果て、仕事を辞めて祖母が暮らす田舎の一軒家に移り住む。間もなく祖母が亡くなり、独りぼっちになったつぐみがある朝目覚めると、隣の離れから一人の男性が現れる。それは50代で独身の大学教授、海江田醇(豊川悦司)だった。生前、祖母から鍵を預かっていたらしく、なかば強引に離れに住むことになり、二人の奇妙な共同生活が始まる。最初は心を閉じていたつぐみがようやく彼を受け入れ始めたころ、元カレの中川俊夫(向井理)が彼女を追ってやってくる。心が揺れ動くつぐみが選んだものは・・・。
【みどころ】

原作の『娚の一生』(おとこのいっしょう)は、西炯子による日本の漫画作品で、『月刊フラワーズ』(小学館)にて2008年9月号から2010年2月号まで連載された。単行本は全4巻で、コミックス累計発行部数150万部を記録するヒット作品。

50代の中年男をダンディに、なおかつセクシーに演じた豊川悦司。原作者も廣木監督も海江田教授役は彼しかいない、と惚れ込むほどこの役にぴったりはまっている。細身の体にロマンスグレーの髪、ゆったりとした関西弁としなやかな身のこなしで作品の世界に見る者を引き込んでいく。

一般的なみどころとして、足キスははずせないだろう。
これだけいろいろな役を演じてきたトヨエツでさえ、撮影時は緊張したと言うほどのシーンで、見ている私もドキドキした。そして、つぐみが海江田を足で蹴飛ばすシーンには思わずのけぞった。普通の50代の男性だったらケガしそうなところだが、トヨエツが柔軟でよかった。つぐみの元カレの中川(向井理)が登場したときは、どうなるのだろう、と思うほどの緊張感があったが、このときもトヨエツの体が強靭でよかったと思った。
個人的な話で恐縮だが、彼が主演した『愛していると言ってくれ』(1995年放映)は今でも私が選ぶテレビドラマ・ランキングのトップ3に入るほどのお気に入りで、録画したビデオテープがすり切れるぐらい何度もくり返し見た記憶がある。それ以降、様々な役を演じてきたけれど、この作品ほどあの頃私が憧れ、夢にまで見た聴覚障害者の画家、榊 晃次の面影がそのまま現れていたものはなかったように思う。あのときから20年の月日を重ねたらきっとこんなふうになるのだろうなあ、とイメージを重ねて見てしまった。それほど、彼がスクリーンに現れた時は感動したし、うれしかった。

相手役の榮倉奈々は原作より少々年齢が若いけれど、トレードマークのショートヘアをロングに変えてしっとりとした大人の女性を演じている。彼女の独特の間の取り方、ナチュラルな雰囲気が田舎の風景にはまっていて、おだやかさと優しさをこの作品に与えている。

物語は淡々と進んでいくが、ところどころにユーモアもちりばめられており飽きさせない。なんといっても、裏切られ続けて男性不信に陥ったつぐみの固く閉ざされた心が少しずつ開いていく過程が美しい。同時に、海江田の心の中の深い傷も癒されていく。

出会うべくして出会ったふたりが織りなす愛の物語。
恋愛に疲れた人も、もう恋なんてしない!と決めてしまった人も、きっとあたたかい気持ちになって前を向いていく力を感じられるだろう。誰かと寄り添いながら生きていくって悪くない、と思わせてくれる心優しい、大人のラブストーリーだ。

Text by YUMI

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