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東日本大震災・広島市土砂災害復興支援 チャリティー神楽 共演大会

広島伝統芸能 神楽

2015/05/26

今年で4回目を迎えた「東日本大震災復興支援 チャリティー神楽共演大会」。
今年は昨年の広島市土砂災害を受けて、「広島市土砂災害被災地支援」のチャリティーも同時開催となった。

この活動をずっと続けているのは、チャリティー神楽実行委員会の中井 達也さん。
中井さんにこの活動を始めたきっかけや想い、そして第1回目からボランティアとして共に活動をされている「上河内神楽団」の方たちにも話を聞いてきました。

地元の伝統芸能を楽しんでもらって、それが復興支援になればいい

震災直後、中井さんは仲間に声をかけた。自分たちに何かできることはないか。
そう考えた時に、実際に現地に赴くことは難しい。それなら、義援金を募ろうということになった。

「神楽ファンの人には好きな神楽を見てもろうて、それがその助けになりゃえんじゃないかの、言うてね」

集まった団体は8。八つの神楽団が名乗りを上げ、チャリティー神楽は始まった。4回目を迎える今年からは、昨年の広島市土砂災害の復興支援も共に開催する。
報道の数は減っても、震災は終わっていない。必要なのは継続することだと、中井さんは言う。

「結局ね、神戸でも報道されんくなったけど、まだ終わってないでしょ?20年経ってもね。今回の震災いうのも、何年かかるかわからんのんよね」

土地に帰れていない人が、まだたくさんいる。
神楽を楽しんでもらって、義援金を募ってそれが復興支援に繋がって、その先に、もう一つ中井さんが考えていることがあった。



被害に遭った人たちも楽しめるイベントを

中井さんはチャリティー神楽に、前回は震災の語り部の方を呼んだり、今年は遠くから広島に避難してきている人を招待したり広島の土砂災害で避難している人に来てもらったりと、義援金だけではなくイベントそのものも、復興支援の活力になればと考えている。
そして、それが広島の元気に繋がれば、とも。

「ボランティア活動いうか、今回は二階堂さんてね、歌手の方を呼んだり。ああいう人を必ず呼んで、形は違うけど他の神楽大会ではできんことをやって…そんなに大それたことじゃないけどね、そういうこともできりゃええかの、いうね」

義援金を募ろうと始まったチャリティー神楽。その活動は、新たな広がりを見せている。


広島市土砂災害から1年

中井さんが実行委員を務める「東日本大震災復興支援チャリティー神楽」は、毎年2月か3月上旬に開催されている。

そしてこの夏、新たに「広島土砂災害復興支援チャリティー神楽」が開催されることになった。
主催するのは、広島土砂災害の復興に力を注いできた「コミサポひろしま」だ。

土砂災害から1年。復興に向けてはまだまだ時間も労力も必要になる。
このチャリティー神楽は、中井さんの主催のチャリティー同様、大会経費を除いた入場料すべてを寄付にあてる。

2015年7月19日(日) コミサポひろしま主催
第1回広島土砂災害復興支援チャリティー神楽共演大会
今年のチャリティー神楽が終わったと同時に、中井さんはもう来年の準備に入っていた。

「もう次のは動いてます。来年はね、2月28日の日曜日。場所は一緒で、出てくれるとこは声かけて。毎度変わってくるんで、声かけながらね、やりよります」

中井さんは、自分に出来ることで復興支援を続けてきた。その活動が新たな支援活動を作り出したりもした。
震災の影響は、長く終わらない。だから支援活動も終わらない。

どうして神楽だったんですか、と聞いたときに、中井さんは笑った。
「気が付いたらそばにあったもんじゃけえ。身に染みついとる(笑)まあ、好きなんよね」

神楽のことを話し出すと止まらない。
中井さんの、なにかしなければと人を支援する熱い想いは、いま、担い手たちが減りつつある伝統芸能の神楽にも同じように注がれていた。